第2回ANiCイノベーターアワード2024年度授賞者の発表
および、アワードの授与式を執り行いました。
2021年、NPO法人アニメ産業イノベーション会議(ANiC)は、「次世代のアニメーションビジネスを切り拓くイノベーター達へもっとスポットライトを」という主旨の下、ANiCイノベーターアワードを開催しました。そして今年、第2回ANiCイノベーターアワードが、3年ぶりにIMART2024にて開催。
会場にてグランプリを授賞された東映アニメーションを代表して来場された執行役員の氷見武士氏に賞状を授与、その他各賞についても審査員より講評コメントを頂きました。そしてカルチャートレンド賞を授賞したYOASOBIチームのプロデューサー屋代陽平氏とのミニトークをおこないました。
この先の国内のアニメコンテンツ産業の成長の可能性への期待が高まるイベントとなりました。
ANiCイノベーターアワードとは?
・アニメのイノベーションを促進した個人・団体を審査・選考し表彰するものです。
・審査対象は、2022年1月~2024年6月までの間に「展開」された取り組みです。
・森祐治氏を審査委員長とし、三上浩司氏、奈藏 佐保子氏、数土直志氏の4名の審査員によって、ANiC理事がノミネートした約20の個人・団体を「影響・波及」「ゲームチェンジ」「展開可能性」の3つの観点から審査。
・審査結果を踏まえ、「ニューウェイブ賞」「カルチャー・トレンド賞」「グランプリ」の3賞を授与いたします。
審査委員長
森 祐治
デジタルハリウッド大学大学院デジタルコンテンツマネジメント研究科専任教授
審査員
数土 直志
ジャーナリスト
新潟国際アニメーション映画祭プログラムディレクター
今回栄えあるグランプリに輝いた東映アニメーションは、CG技術を駆使してアニメ表現を進化させ、多くの画期的な作品を生み出してきたその功績が評価されました。特に新規性のあるCG表現とストーリーテリングの融合、そして長期にわたるフルCG作品のプロデュースが業界のスタンダードを刷新するほどのインパクトを与えています。
審査委員長の森氏は、「東映アニメーションの継続的な挑戦が、アニメ業界の未来に大きな影響を与えた」と述べ、今後もこの勢いをさらに広げていくことへの期待感を示しました。
グランプリを受賞した東映アニメーションが、今後どのような新たな作品を世に送り出してくれるのか楽しみです。
市場の中で革新的なものとして消費者にも認められた取り組みに対し、それを表彰する賞となります。
YOASOBIチームは、小説をベースにした音楽制作とアニメのマッシュアップで、新しいヒットの潮流を生み出しました。YOASOBIの楽曲はアニメ作品の世界観を深め、さらにグローバル展開を加速させた点が評価されました。従来の楽曲とアニメのタイアップという枠組みを超えた取り組みであり、アニメ業界全体として、楽曲への取り組み方、向き合い方に変化をもたらしました。
特定非営利活動法人 アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)
アニメ特撮アーカイブ機構は、日本が誇るアニメや特撮作品に関連する貴重な資料を集め、保存・活用する取り組みを推進してきました。業界全体にとってアーカイブの重要性が高まる中、ATACの活動が文化を次世代に繋げる重要な役割を果たしている点が評価されました。
この賞は、新たな技術や挑戦で業界に変革をもたらす可能性のある取り組みに贈られる賞で、まさに「次世代の波」を感じさせる存在に光を当てます。
サイバーエージェント アニメーションAI ラボチーム
2023年10月からいち早く生成AIを活用した新しいアニメ制作プロセスの構築に取り組んできたこと、そしてAI技術を用いながら、著作権保護や不正利用防止の研究を進めるその姿勢が、業界の持続的発展に寄与していると高く評価されました。これからのアニメ制作のあり方を大きく変える可能性を秘めたアニメーションAI ラボチームの取り組みに、今後の更なる進化が期待されています。
今回のアワードは、アニメ業界に変革を起こしているプロデューサーや企業様に来場いただき、未来への展望などについてもお聞きすることができました。
締めくくりに理事長の松本より「3年ぶりの再開となったこのアワードを通して、アニメ業界のイノベーションをさらに後押しし、これからもさまざまな形で支援していきたい」というメッセージが伝えられました。
アニメ業界がこれからどのような革新を遂げていくのか、ANiCは引き続き見守り支援し、次回のアワードへ繋げていきたいと思います。